研修医への案内

卒後臨床研修プログラム

1. プログラムの名称および研修目的

  1. プログラムの名称
    山梨大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科卒後臨床研修プログラム
  2. 目的
    医師としての人格を涵養し、将来の専門性にかかわらに付けるためのプログラムである。
    血液・腫瘍内科は内科学の中で血液疾患を担当しており、卒後1年目の3ヶ月間で代表的な疾患についての臨床医として身に付けるべき基本的診療能力を習得する。

2. プログラムの特徴

卒後臨床研修の必修化の目的に沿って、将来の専門性にかかわらず、臨床医としての基本的診療能力を身に付けるためのプログラムである。
血液・腫瘍内科は内科学の中で血液疾患を担当しており、卒後1年目の3ヶ月間で代表的な疾患についての臨床医として身に付けるべき基本的診療能力を習得する。

3. プログラム指導責任者

山梨大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科 科長 桐戸敬太

4. 指導医

1)臨床経験年数 2)専門医資格

氏名 経験年数 専門医資格
桐戸敬太 22年 日本内科学会認定医、日本血液学会専門医・指導医
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
三森 徹 10年 日本内科学会認定医、日本血液学会専門医、
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
中嶌 圭 6年 日本内科学会認定医
日本血液学会認定血液専門医

5. プログラムの管理運営

山梨大学医学部付属病院卒後臨床研修センターとの綿密な協議のもとに、研修医、指導医の希望を尊重して運営する。

6. 受け入れ定員

3ヶ月間の研修期間で、各2名程度

7. 研修到達目標

3ヶ月研修の血液・腫瘍内科研修の行動目標、経験目標を示す。2年目の選択科としての研修は、 1年目の基礎研修をより深める。

○は血液・腫瘍内科にて習得すべき項目

I.行動目標項目>医療者として必要な基本姿勢・態度

1. 患者-医師関係

  1. ○患者、家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握できる。
  2. ○医師、患者・家族がともに納得できる医療を行うためのインフォームド・コンセ ントが実施できる。
  3. ○守秘義務を果たし、プライバシーへの配慮ができる。

2. チーム医療

  1. ○指導医や専門医に適切なタイミングでコンサルテーションができる。
  2. ○上級及び同僚医師や他の医療従事者と適切なコミュニケーションがとれる。
  3. ○同僚及び後輩へ教育的配慮ができる。
  4. ○患者の転入・転出に当たり、情報を交換できる。
  5. ○関係機関や諸団体の担当者とコミュニケーションがとれる。

3. 問題対応能力

  1. ○臨床上の疑問点を解決するための情報を収集して評価し、当該患者への適応を判 断できる (EBM=Evidence Based Medicineの実践ができる。)
  2. ○自己評価及び第三者による評価を踏まえた問題対応能力の改善ができる。
  3. ○臨床研究や治験の意義を理解し、研究や学会活動に関心を持つ。
  4. ○自己管理能力を身に付け、生涯にわたり基本的臨床能力の向上に努める。

4. 安全管理

  1. ○医療を行う際の安全確認の考え方を理解し、実施できる。
  2. ○医療事故防止及び事故後の対処についてマニュアルなどに沿って行動できる。
  3. ○院内感染対策 (Standard Precautionsを含む)を理解し、実施できる。

5. 症例呈示

  1. ○症例呈示と討論ができる。
  2. ○臨床症例に関するカンファレンスや学術集会に参加する。

6. 医療の社会性

  1. ○保健医療法規・制度を理解し、適切に行動できる。
  2. ○医療保険、公費負担医療を理解し、適切に診療できる。
  3. ○医の倫理・生命倫理について理解し、適切に行動できる
  4. ○医薬品や医療用具による健康被害の発生防止について理解し、適切に行動できる。

II. 経験目標項目>A) 経験すべき診察法・検査・手技

1. 医療面接

  1. ○医療面接におけるコミュニケーションの持つ意義を理解し、コミュニケーション スキルを身に付け、患者の解釈モデル、受診動機、受療行動を把握できる。
  2. ○患者の病歴 (主訴、現病歴、既往歴、家族歴、生活・職業歴、系統的レビュー) の聴取と記録ができる。
  3. ○患者・家族への適切な指示、指導ができる。

2. 基本的な身体診察法

  1. ○全身の観察 (バイタルサインと精神状態の把握、皮膚や表在リンパ節の診察を含 む)ができ、記載できる。
  2. ○頭頸部の診察 (眼瞼・結膜、眼底、外耳道、鼻腔、口腔、咽頭の観察、甲状腺の 触診を含む)ができ、記載できる。
  3. ○胸部の診察 (乳房の診察を含む)ができ、記載できる。
  4. ○腹部の診察 (直腸診を含む)ができ、記載できる。
  5. 泌尿・生殖器の診察 (産婦人科的診察を含む)ができ、記載できる。
  6. 骨・関節・筋肉系の診察ができ、記載できる。
  7. 神経学的診察ができ、記載できる。
  8. 小児の診察 (生理的所見と病的所見の鑑別を含む)ができ、記載できる。
  9. 精神面の診察ができ、記載できる。

3. 基本的な臨床検査

※は必修項目

病態と臨床経過を把握し、医療面接と身体診察から得られた情報をもとに必要な検査 を
A : 自ら実施し、結果を解釈できる。
その他 : 検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる。

  1. 一般尿検査 (尿沈渣顕微鏡検査を含む) ※
  2. 便検査 (潜血、虫卵) ※
  3. ○血算・白血球分画 ※
  4. ○血液型判定・交差適合試験 (A) ※
  5. ○心電図 (12誘導) (A) ※ 負荷心電図
  6. ○動脈血ガス分析 (A) ※
  7. ○血液生化学的検査 ※ ・簡易検査 (血糖、電解質、尿素窒素など)
  8. ○血液免疫血清学的検査 ※ (免疫細胞検査、アレルギー検査を含む)
  9. ○細菌学的検査・薬剤感受性検査 ※ ・検体の採取 (痰、尿、血液など) ・簡単な細菌学的検査 (グラム染色など) 10) 肺機能検査 ※ ・スパイロメトリー
  10. 髄液検査 ※
  11. ○細胞診・病理組織検査
  12. ○内視鏡検査 ※
  13. 超音波検査 (A) ※
  14. ○単純X線検査 ※
  15. ○造影X線検査 ※
  16. ○X線CT検査 ※
  17. ○MRI検査
  18. ○核医学検査
  19. 神経生理学的検査 (脳波・筋電図など)

4. 基本的手技

※は必修項目

  1. ○気道確保を実施できる。 ※
  2. ○人工呼吸を実施できる。 (バックマスクによる徒手換気を含む) ※
  3. ○心マッサージを実施できる。 ※
  4. ○圧迫止血法を実施できる。 ※
  5. ○包帯法を実施できる。 ※
  6. ○注射法 (皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保)を実施できる。 ※
  7. ○採血法 (静脈血、動脈血)を実施できる。 ※
  8. ○穿刺法 (腰椎)を実施できる。 ※
  9. 穿刺法 (胸腔、腹腔)を実施できる。
  10. ○導尿法を実施できる。 ※
  11. ドレーン・チューブ類の管理ができる。 ※
  12. ○胃管の挿入と管理ができる。 ※
  13. ○局所麻酔法を実施できる。 ※
  14. ○創部消毒とガーゼ交換を実施できる。 ※
  15. ○簡単な切開・排膿を実施できる。 ※
  16. ○皮膚縫合法を実施できる。 ※
  17. 軽度の外傷・熱傷の処置を実施できる。 ※
  18. 気管挿管を実施できる。 ※
  19. 除細動を実施できる。 ※

5. 基本的治療法

  1. ○療養指導 (安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む)ができる。
  2. ○薬物の作用、副作用、相互作用について理解し、薬物治療 (抗菌薬、副腎皮質 ステロイド薬、解熱薬、麻薬、血液製剤を含む)ができる。
  3. ○基本的な輸液ができる。
  4. ○輸血 (成分輸血を含む)による効果と副作用について理解し、輸血が実施できる。

6. 医療記録

※は必修項目

  1. ○診療録 (退院時サマリーを含む)をPOS (Problem Oriented System)に従って記 載し管理できる。 ※
  2. ○処方箋、指示箋を作成し、管理できる。 ※
  3. ○診断書、死亡診断書、死体検案書、その他の証明書を作成し、管理できる。※
  4. ○CPC(臨床病理検討会)レポート(剖検報告)を作成し、症例呈示できる。※
  5. ○紹介状と、紹介状への返信を作成でき、それを管理できる。 ※

7. 診療計画

  1. ○診療計画 (診断、治療、患者・家族への説明を含む)を作成できる。
  2. ○診療ガイドラインやクリティカルパスを理解し活用できる。
  3. ○入退院の適応を判断できる。 (デイサージャリー症例を含む)
  4. ○QOL (Quality of Life)を考慮にいれた総合的な管理計画 (リハビリテーション、 社会復帰、在宅医療、介護を含む)へ参画する。

II. 経験目標項目>B) 経験すべき症状・病態・疾患>1.頻度の高い症状

1.頻度の高い症状

※は必修項目

  1. ○全身倦怠感
  2. 不眠 ※
  3. 食欲不振
  4. 体重減少、体重増加
  5. 浮腫 ※
  6. ○リンパ節腫脹 ※
  7. 発疹 ※
  8. 黄疸
  9. ○発熱 ※
  10. 頭痛 ※
  11. めまい ※
  12. 失神
  13. けいれん発作
  14. 視力障害、視野狭窄 ※
  15. ○結膜の充血 ※
  16. 聴覚障害
  17. ○鼻出血
  18. 嗄声
  19. 胸痛 ※
  20. 動悸 ※
  21. 呼吸困難 ※
  22. ○咳・痰 ※
  23. 嘔気・嘔吐 ※
  24. 胸やけ
  25. 嚥下困難
  26. 腹痛 ※
  27. 便通異常 (下痢、便秘) ※
  28. 腰痛 ※
  29. 関節痛
  30. 歩行障害
  31. 四肢のしびれ ※
  32. 血尿 ※
  33. 排尿障害 (尿失禁・排尿困難) ※
  34. 尿量異常
  35. 不安・抑うつ

II. 経験目標項目>B) 経験すべき症状・病態・疾患>2. 緊急を要する症状・病態 2. 緊急を要する症状・病態

※は必修項目

  1. ○心肺停止 ※
  2. ○ショック ※
  3. 意識障害 ※
  4. 脳血管障害 ※
  5. ○急性呼吸不全
  6. ○急性心不全 ※
  7. 急性冠症候群 ※
  8. 急性腹症 ※
  9. 急性消化管出血 ※
  10. ○急性腎不全
  11. 流・早産および満期産
  12. ○急性感染症
  13. 外傷 ※
  14. 急性中毒 ※
  15. 誤飲、誤嚥
  16. 熱傷 ※
  17. 精神科領域の救急

II. 経験目標項目>B) 経験すべき症状・病態・疾患>3. 経験が求められる疾患・病態 3. 経験が求められる疾患・病態

  1. 血液・造血器・リンパ網内系疾患
    ○[1] 貧血 (鉄欠乏貧血、二次性貧血) (B)
    ○[2] 白血病
    ○[3] 悪性リンパ腫
    ○[4] 出血傾向・紫斑病 (播種性血管内凝固症候群:DIC)
  2. 神経系疾患
    [1] 脳・脊髄血管障害 (脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血) (A)
    [2] 痴呆性疾患
    [3] 脳・脊髄外傷 (頭部外傷、急性硬膜外・硬膜下血腫)
    [4] 変性疾患 (パーキンソン病)
    [5] 脳炎・髄膜炎
  3. 皮膚系疾患
    [1] 湿疹・皮膚炎群 (接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎) (B)
    [2] 蕁麻疹 (B)
    ○[3] 薬疹
    [4] 皮膚感染症状 (B)
  4. 運動器 (筋骨格) 系疾患
    [1] 骨折 (B)
    [2] 関節・靱帯の損傷及び障害 (B)
    [3] 骨粗鬆症 (B)
    [4] 脊柱障害 (腰椎椎間板ヘルニア) (B)
  5. 循環器系疾患
    ○[1] 心不全 (A)
    [2] 狭心症、心筋梗塞 (B)
    [3] 心筋症
    [4] 不整脈 (主要な頻脈性、徐脈性不整脈) (B)
    [5] 弁膜症 (僧帽弁膜症、大動脈弁膜症)
    [6] 動脈疾患 (動脈硬化症、大動脈瘤) (B)
    [7] 静脈・リンパ管疾患 (深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫)
    [8] 高血圧症 (本態性、二次性高血圧症) (A)
  6. 呼吸器系疾患
    ○[1] 呼吸不全 (B)
    ○[2] 呼吸器感染症 (急性上気道炎、気管支炎、肺炎) (A)
    [3] 閉塞性・拘束性肺疾患 (気管支喘息、気管支拡張症) (B)
    [4] 肺循環障害 (肺塞栓・肺梗塞)
    [5] 異常呼吸 (過換気症候群)
    [6] 胸膜、縦隔、横隔膜疾患 (自然気胸、胸膜炎)
    [7] 肺癌
  7. 消化器系疾患
    ○[1] 食道・胃・十二指腸疾患 (食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎) (A)
    [2] 小腸・大腸疾患 (イレウス、急性虫垂炎、痔核・痔瘻) (B)
    [3] 胆嚢・胆管疾患 (胆石、胆嚢炎、胆管炎)
    ○[4] 肝疾患 (ウイルス性肝炎、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝癌、アルコール性肝障 害、薬物性肝障害) (B)
    [5] 膵臓疾患 (急性・慢性膵炎)
    [6] 横隔膜・腹壁・腹膜 (腹膜炎、急性腹症、ヘルニア) (B)
  8. 腎・尿路系 (体液・電解質バランスを含む) 疾患
    ○[1] 腎不全 (急性・慢性腎不全、透析) (A)
    [2] 原発性糸球体疾患 (急性・慢性糸球体腎炎症候群、ネフローゼ症候群)
    [3] 全身性疾患による腎障害 (糖尿病性腎症)
    [4] 泌尿器科的腎・尿路疾患 (尿路結石、尿路感染症) (B)
  9. 内分泌・栄養・代謝系疾患
    [1] 視床下部・下垂体疾患 (下垂体機能障害)
    [2] 甲状腺疾患 (甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症)
    [3] 副腎不全
    ○[4] 糖代謝異常 (糖尿病、糖尿病の合併症、低血糖) (A)
    [5] 高脂血症 (B)
    [6] 蛋白および核酸代謝異常 (高尿酸血症)
  10. 感染症
    ○[1] ウイルス感染症 (インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘、ヘルペス、流行性耳下 腺炎) (B)
    ○ [2] 細菌感染症 (ブドウ球菌、MRSA、A群レンサ球菌、クラミジア) (B)
    [3] 結核 (B)
    ○[4] 真菌感染症 (カンジダ症)
    [5] 性感染症
    [6] 寄生虫疾患
  11. 免疫・アレルギー疾患
    [1] 全身性エリテマトーデスとその合併症
    [2] 慢性関節リウマチ (B)
    [3] アレルギー疾患 (B)
  12. 物理・化学的因子による疾患
    [1] 中毒 (アルコール、薬物)
    [2] アナフィラキシー
    [3] 環境要因による疾患 (熱中症、寒冷による障害
    [4] 熱傷 (B)
  13. 加齢と老化
    [1] 高齢者の栄養摂取障害 (B)
    [2] 老年症候群 (誤嚥、転倒、失禁、褥瘡) (B)

II. 経験目標項目>C) 特定の医療現場の経験

1. 救急医療の場において

  1. バイタルサインの把握ができる。
  2. 重症度および緊急度の把握ができる。
  3. ショックの診断と治療ができる。
  4. 二次救命処置 (ACLS=Advanced Cardiovascular Life Support、呼吸・循環管理 を含む)ができ、一次救命処置 (BLS=Basic Life Support)を指導できる。
  5. 頻度の高い救急疾患の初期治療ができる。
  6. 専門医への適切なコンサルテーションができる。
  7. 大災害時の救急医療体制を理解し、自己の役割を把握できる。

6. 緩和・終末期医療の場において

  1. ○心理社会的側面への配慮ができる。
  2. ○基本的な緩和ケア(WHO方式がん疼痛治療法を含む)ができる。
  3. ○告知をめぐる諸問題への配慮ができる。
  4. ○死生観・宗教観などへの配慮ができる。
  5. ○臨終の立ちあい、適切に対応できる。

8. 研修到達達成度の評価方法

研修医は、研修中の適当な時期に、別紙の評価表に従い、自己評価を行う。指導医は研修 医の自己評価結果を点検し、研修医の到達目標の達成を援助する。
3ヶ月の研修の終わりには、別紙の評価表に従い、自己評価、指導医評価、研修責任者な いし科長の評価を行う。評価結果は山梨大学医学部附属病院卒後臨床研修センターに提出 され、研修医の到達目標の達成に関し認定を受ける。

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