臨床・研究

臨床活動

診療実績

 2018年の外来受診延べ人数は10,732名です。外来では血液疾患の診断・治療、治療後のフォローアップを行っております。また、必要性に応じ入院での治療が行われます。

入院のべ人数

  2016年 2017年 2018年
急性リンパ性白血病 2 5 3
急性骨髄性白血病 16 23 46
骨髄異形成症候群 9 14 13
特発性血小板減少性紫斑病 1 5 2
悪性リンパ腫 93 95 127
骨髄移植 8 14 14
多発性骨髄腫 19 40 31
その他 33 95 69
総計 181 291 305

外来患者数

  2016年 2017年 2018年
外来患者数 9,666 10,516 10,732
 

移植人数

  2017年 2018年
自家末梢血造血幹細胞移植 9 5
同種造血幹細胞移植 血縁者間末梢血 3 3
血縁者間骨髄 0 0
非血縁者間末梢血 0 0
非血縁者間骨髄 0 0
臍帯血 0 7

*当科は日本造血細胞移植学会により非血縁者間造血幹細胞移植を施行する診療科として認定されております。

骨髄検査

 腸骨に針を刺して、骨の中にある骨髄組織をとる検査です。それよって得られた骨髄検体から染色体検査・遺伝子検査・細胞表面マーカー・顕微鏡検査・病理組織検査などを行い、血液疾患の診断や治療後の効果判定を行います。

骨髄生検件数

  2016年 2017年 2018年
外来 113 138 171
入院 94 91 142
総計 207 229 313

治験について

国内および国際的な治験にも数多く参加しています。
これまでに参加した治験の実績を示します。これらの治験を通じて多くのエビデンス構築に貢献しています。

現在進行中の治験

(1) 対象疾患:急性骨髄性白血病
アザシチジン(多施設国内臨床試験):
65歳以上の日本人急性骨髄性白血病(高齢者AML)患者を対象に、NS-17を皮下又は静脈内投与した時の有効性及び安全性を確認する。

(2)対象疾患:慢性骨髄性白血病
ABL001 (国際共同第3相臨床試験):
2剤以上のチロシンキナーゼ阻害薬 による治療経験があり、スクリーニング時のBCR-ABLの比率が1% IS 以上のCML-CP患者の治療におけるABL001の有効性をボスチニブと比較する試験。

過去の治験

(1) 対象疾患:ITP
ロミプロスチム(多施設国内臨床試験)
1: Shirasugi Y et.al.
Romiplostim for the treatment of chronic immune thrombocytopenia in adult Japanese patients:a double-blind, randomized Phase III clinical trial. Int J Hematol. 2011 Jul;94(1):71-80.
2 Shirasugi Y et.al.
An open-label extension study evaluating the safety and efficacy of romiplostim for up to 3.5 years in thrombocytopenic Japanese patients with immunethrombocytopenic purpura (ITP). Int J Hematol. 2012 Jun;95(6):652-9.

(2)対象疾患:真性多血症
ルキソリチニブ(国際共同第3相臨床試験)
この試験はRESPONSE試験として広く知られており、NCCNガイドラインや日本血液学会造血器腫瘍ガイドラインにもエビデンスレベルIとして採用されています。また、追跡解析についても報告がなされています。なお、この試験に参加した日本人症例についての解析結果は、当科が中心となって発表を行なっています。
1: Verstovsek S et.al. Ruxolitinib versus best available therapy in patients with polycythemia vera: 80-week follow-up from the RESPONSE trial. Haematologica. 2016 Jul;101(7):821-9.
2: Kirito K et.al. Ruxolitinib is effective and safe in Japanese patients with hydroxyurea-resistant or hydroxyurea-intolerant polycythemia vera with splenomegaly. Int J Hematol. 2018 Feb;107(2):173-184.

(3)対象疾患:骨髄線維症
ルキソリチニブ(多施設国内臨床試験)
日本人骨髄線維症症例を対象とした試験です。
1: Komatsu N et.al. Assessing the safety and efficacy of ruxolitinib in a multicenter, open-label study in Japanese patients with myelofibrosis. Int J Hematol. 2017 Mar;105(3):309-317.

(4)対象疾患:腫瘍崩壊症候群
フェブキソスタット(多施設国内臨床試験)
腫瘍崩壊症候群の予防におけるフェブキソスタットの役割を検証した試験です。
1: Tamura K et.al. Efficacy and safety of febuxostat for prevention of tumor lysis syndrome in patients with malignant tumors receiving chemotherapy: a phase III, randomized, multi-centertrial comparing febuxostat and allopurinol. Int J Clin Oncol. 2016 Oct;21(5):996-1003.
日本臨床腫瘍学会の腫瘍崩壊症候群診療ガイダンスに採用されています。

(5)対象疾患:Ph陰性骨髄増殖性腫瘍
JAK2V617F定量試薬開発臨床性能試験(多施設国内臨床試験)
高感度かつ定量性のあるJAK2変異検出のための検査方法開発の臨床性能試験 当科が、中心となって報告を行いました。
臨床血液2018

(6)対象疾患:早期骨髄線維症
ルキソリチニブ(国際共同臨床試験)

研究実績

基礎研究

骨髄増殖性の病態解明は、JAK2変異を始めとするドライバー変異およびそれと共存する様々な遺伝子変異の役割が注目され研究が進められています。これに対して、私たちのグループは骨髄微小環境に注目し、酸素分圧の低下やエネルギー低下(低グルコース環境)が骨髄増殖性腫瘍にどのように影響するかを研究しています。その研究過程で、糖尿病治療に広く用いられているビグアナイド系薬剤であるメトホルミンが、活性変異型JAK2の機能を抑制しうることを見出しています。現在、その分子的なメカニズムについて解析を進めています。

リンパ系腫瘍を対象とした基礎研究にも取り組んでおり、低酸素応答転写因子HIF-1が多発性骨髄腫治療の分子標的となりうることを、世界に先駆けていち早く証明しています。現在は、このHIFにより制御されている解糖系酵素であるヘキソキナーゼに注目し、リンパ系腫瘍におけるその機能解析を進めています。

MPNについての基礎研究紹介

臨床研究

骨髄線維化は主に骨髄増殖性腫瘍に併発して認められる現象ですが、リンパ系腫瘍に合併する例があります。しかしながら、その臨床的な意義についてはほとんど解明されていません。我々は、リンパ系腫瘍の中でも骨髄内微小環境変化の大きい多発性骨髄腫に注目し、多発性骨髄腫症例における骨髄線維化と治療反応性や予後との関連を調べています。

この他、国内の多施設で行われた以下の臨床研究に参加しました。

1: Isoda A et.al. Kanshinetsu Multiple Myeloma Study Group. Bortezomib maintenance therapy in transplant-ineligible myeloma patients who plateaued after bortezomib-based induction therapy: a multicenter phase II clinical trial. Int J Hematol. 2018 Jul;108(1):39-46.
2: Oritani K et.al.
Effect of ruxolitinib therapy on the quality-of-life of Japanese patients with myelofibrosis. Curr Med Res Opin. 2018 Mar;34(3):531-537.
3: Takaku T et.al.
Clinical Efficacy and Safety of First-Line Dasatinib Therapy and the Relevance of Velocity of BCR-ABL1 Transcript Decline for Achievement of Molecular Responses in Newly Diagnosed Chronic-Phase ChronicMyeloid Leukemia: Report from the Juntendo Yamanashi Cooperative Study Group. Oncology. 2018;94(2):85-91.
4: Kirito K et.al.
Evaluation of the dose and efficacy of ruxolitinib in Japanese patients with myelofibrosis. Int J Hematol. 2018 Jan;107(1):92-97
5: Edahiro Y et.al.
JAK2V617F mutation status and allele burden in classical Ph-negative myeloproliferative neoplasms in Japan. Int J Hematol.2014;99(5):625-34.
6: Morishita S et.al.
Alternately binding probe competitive PCR as a simple, cost-effective, andaccurate quantification method for JAK2V617F allele burden in myeloproliferative neoplasms. Leuk Res. 2011 Dec;35(12):1632-6.

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